一人社長が現場で管理責任者と作業者を兼任したら、偽装請負になるか?

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ITの現場では、SEの方が独立して、一人で会社を設立し、社長兼作業者として客先(現場)に赴いて作業をすることがあるかと思います。
それは、偽装請負にならないのでしょうか。

1.偽装請負とは

偽装請負とは、業務委託契約(請負契約または準委任契約)で仕事を受けているにもかかわらず、実態としては労働者派遣のように作業者が発注者の指示命令で作業をしていることを言います。
本来、業務委託であれば、発注者は作業の依頼等を管理責任者に行い、管理責任者が作業者に対して指示命令を行わなければなりません。
つまり、発注者は、現場の作業者に直接指示命令をしてはならないのです。もし直接指示命令をしていたら、それは「偽装請負」になります。

2.管理責任者とは

管理責任者は、事業主に代わり、作業者に対して業務遂行に関する指示を行ったり、作業者の労務管理を行ったり、また発注者と連絡窓口になる権限を有しています。

3.現場(客先)にいる作業者が管理責任者を兼任する場合

現場(客先)の作業者が一人で、管理責任者を兼任している場合、作業者と管理責任者の区別がつかず、実質的には注文者とやり取りを行うのは作業者ということになります。
つまり、発注者が、現場の作業者に直接指示命令をしている構図になってしまいます。
これは、偽装請負と判断される可能性が高いです。

一人社長が現場(客先)で管理責任者を兼ねて常勤して作業をすると、偽装請負として扱われてしまう可能性が高くなりますので、ご留意ください。